「いらっしゃいませー」


店内に入ると、女性の店員さんがにこやかに挨拶してくれた。


アイスとかジェラートとかを売ってる小さなお店だ。私はよくマナミたちと来ている。


店内には4席ほどの食事用スペースがあるだけで、ほとんど持ち帰りって感じだから、学校帰りとかによく立ち寄るんだよね。


カウンターの前に立つと、透明のショーケースからカラフルなフレーバーが見えて、思わず見惚れてしまう。


今日はどれにしようかな。ひゃー、期間限定のやつがあるんだけど!食べてみたーい!



「ご注文はお決まりですか?」

「……えっとぉー」


フレーバーを眺めながら、注文を言っていく。


俊くんは、そんな私を黙って見ていた。