残り数日で、私と幸治さんは結ばれる。
結婚していないのに、一度も体の関係はなかったけど。
私が心臓を悪くしたせいもあって・・・・・・。
結婚したら、どうなるんだろ。
今までと生活自体は変わらないよね。
もっと幸治さんと仲良くできるかな。
ぐふっ・・・・・・。
「何にやけてんだ?」
「キャッ!」
こ、幸治さん・・・・・・!?
驚いた。もう帰ってきたんだ。
「ただいま。」
「おかえりなさいっ」
はぁ、恥ずかしかった。
あまり突っ込まれなくて良かった。
結婚してからのことを想像してにやけてたなんて、絶対言えない!!!
「悪いな。」
「え?何がですか?」
「結局、かなに式の準備を任せちゃって。」
「いえっ!私はまだ働いてるわけでもないですし、暇なんで、大丈夫ですっ!」
そんなこと、気にしてたんだ・・・・・・。
「後すこしで、俺達夫婦だな。」
といいながら、私の手を引っ張りソファに座らすれた。
「チュッ」
唇が軽く重なり、一度離れるとすぐに再び強くキスされた。
「んっ!」
苦しくなるけど、幸治さんは構わずキスを続ける。
ほのかに匂う幸治さんの体の匂い。
安心する。
全てを。
私の全てを幸治さんに捧げたい。
そう思い強く幸治さんの体を抱きしめる。
「あ・・・・・・。」
ん?
幸治さんが顔を下にそむける。
「スイッチ入っちゃうから・・・・・・。」
幸治さんの目線の先に目をやると、
「キャッ!」
目を手で覆う。
「バカッ!見るなよ・・・・・・。
かなが強く抱きしめてきたからっ!!!」
幸治さん、焦ってる。
でも幸治さんが私をその気にさせたんじゃない。
「式の前に無茶させたくないんだ。」
そういうと、私の額に軽くキスをした。
こういう何気ないキスに、顔が熱くなる。
こんな幸せ、思ってもなかった。
後数日。
私はただ幼い頃に出会った青年に、情けで同棲してもらってただけなのに、数日後には一生を共にする夫婦となる。
全て夢のような話。
数日後、私はどうなってるんだろう。