放課後。
「……どうしよう」
生徒会室にお呼ばれされているけど、肝心の場所がわからない。
どこだろう、生徒会室。
「何してるの?」
とりあえず一階から探してみようと思い階段を下りると、階段を上ろうとしていた学園長代理と会った。
「……あれ?あなた……もしかして、風都由楽さん?」
私の顔を覗き込むように見た学園長代理は、嬉しそうにそう聞いてきた。
「そ、そうですけど……」
「やっぱり!あたし、あなたに会いたかったの」
え……?
私に、会いたかった?
「あなたのお父様にはお世話になったから、一度挨拶をしておきたくてね」
首をかしげた私に、学園長代理は会いたかった理由を話してくれた。
「そうだったんですか」
「すごく素敵な人だったわ」
学園長代理はそう呟くように言うと、切なそうに目を伏せた。
学園長代理の言葉が過去形なことに、私は寂しそうに微笑む。