岳斗が戻ってきたことを祝して行ったプチパーティーが楽しくてはしゃいでいたらつい時間を忘れてしまい、気づいたら空は薄暗くなっていた。


門限を一時間も過ぎてしまったことへの罪悪感に似た気持ちが、先ほどまで浮かれていた心を重くしていくようだった。


皆は門限のある私を心配して「家まで送ってく」と言ってくれたが、私は「大丈夫」と言ってその優しさを拒んだ。





「ただいま」




家路について玄関の扉を開けると、私を待ち構えていたようにおばさんが立っていた。



おばさんの目は、嫌いだ。


私のことをゴミのように見るその目が、私の存在を認めていないその視線が、私の生きる意味を消し去りたいとでも言っているようなその眼差しが、私を真っ暗な闇へと突き落とす。



おばさんを見る度に、恐怖心が募っていく。どうしようもなく恐くて、手足が震えて、何もできなくなってしまう。




「今何時だと思ってるの?」




おばさんの声に、優しさなど感じたことがない。


私をあからさまに毛嫌いしているおばさんの声はいつだって冷たくて、まるでナイフのよう。



「ご、ごめんなさ……っ」



私がびくびくと怯えながら謝ると、私の声なんか聞きたくないと言うように私の頬を思い切り強く叩いた。