――肌寒くなってきたこの頃。
二学期最初の定期考査が終わった今日、仕事のない生徒会は生徒会室である温室でのんびりと放課後を過ごしていた。
東屋のテーブルに出されたシュークリームを食べながら、私たちは他愛のない話をしていた。
「このシュークリーム、利央が作ったって本当?」
カスタードクリームが口の端についている蜜が利央に聞いた。
利央は蜜にカスタードクリームがついていることを教えたあと、
「暇だったから作ってみたんだけど、どう?」
と感想を求めた。
体育祭で秘密がバレて以来、利央は女装をしなくなった。
この学校にモデルのRIOが通っていることがネットで話題になってしまったが、それをきっかけにRIOは有名になり、本当に不良系モデルとして活躍している。
学校の生徒は騙されていたという意識は全くなく、逆にかっこいい!と人気が急上昇した。特に女の子たちは利央のファンクラブを作ったほどだ。
「すっごく美味しい!」
「でもちょっと甘すぎねぇか?」
「そこがいいんじゃん!」
「蜜はガキだな」
「……バカザル」
「はあ!?俺のどこがサルなんだよ!」