今日から通うことになる、私立桜彩【オウサイ】学園。



この高校を選んだのは、家が近いから。

そして、制服が可愛いから。




「よしっ」


校門前で気合いを入れた私・風都 由楽【カザト ユラ】は、桜が舞う中、胸元まである長い黒髪を揺らしながら校舎へと向かった。




今日は入学式。


ついに今日から、高校生になる。




「……あれ?」




校舎前にクラスが張り出されているらしいんだけど……。


な、なぜ?


目の前に広がるのは、カラフルな色。


その色はどうやら髪の色で。



「ふ、不良さん?」


私は目を丸くして驚いた。




な、なんで!?

なんでここに不良さんがこんなにいっぱいいるの!?


クラス発表の紙の前で騒いでいる不良さんが多勢いて、私はどうしても近づけなかった。


高校間違えた?……そんなわけないか。


普通の髪の人もいるけど、やっぱり赤や青や金の色が目立つ。

もしかしてここって、不良高校?




ど、どど、どうしよ~~!