《愛優said》
案外、綺麗な倉庫。
もっと汚いのかと思ってた。
「こんなとこ怖いか?」
アイツがバイクを降りながら聞いてきた。
私も便乗してバイクから降りる。
「...怖くない」
別に初めてではない。
昔に何度かこういう所には来たことがある。
あの時は私荒れてたな。
「ふーん...」
コイツの口癖?
もう何回も聞いてる。
「じゃ、行くぞ」
そういってアイツは歩き始めた。
私は急いでアイツを追いかけた。
そういえばなんでいう名前なんだろ?
ってそんなこと私には関係ない。
見た目は私と同じぐらいか年上ぐらい?
「翔琉総長、お久しぶりっす!!」
かける...?
コイツの名前かな?
下っ端たちであろう人が挨拶する。
「おう」
アイツは笑顔で対応している。
でも、その笑顔は偽りで、悲しそうに笑っている。
今気づいたけど所々女の子たちもいる。
チラチラと私の方を見ては
「何あの子~」
「翔琉さんに近づくとかないわ~、どうせ遊ばれてんのよ」
なんて声が聞こえる。