「ねえねえ、なんだったのー?」

「知らんっ。ほんっとにムカつく。」


教室に帰ると「折原が柊木蘭に振られた」ってみんなが言っていた。


ちがうんです。

一方的に嫌味言われただけなんです。


でも、妖怪が視えるなんて話、
誰にもできないからだまっておくことにした。



でも!

「葉月、きいて!」

「なんだい?」


にまにま笑う葉月に向かって言う。


「告られてもないし告ってもないから!
これだけは信じて!」


葉月にだけはそれだけは知っててもらいたい。


葉月は優しい顔になって言う。

「わかってるよ。それぐらい」


私が言わなければあえて聞こうとしない。

葉月、大好き。



いつか話せたらいいな。

妖怪が見えるってこと。