オレは暖かい陽射しが差す公園で美奈子が座る車椅子を押しながら、美奈子に話しかけた。




｢今日はスゲー天気がいいから、外の空気が気持ちいいよな。

美奈子、今日はきっといいことがあるぜ。

なぁ、美奈子、お前はどっか行きたいとことかあるか？

今日は気分がいいから、どこにでも連れていってやるぜ。

なぁ、美奈子、何でもオレにわがままを言っていいんだぜ。

お前の思い通りの一日をオレが演出してやるよ。

なぁ、美奈子、何でもいいんだ。

何でもいいから、オレにわがままを言ってくれよ｣




オレはとびきりの明るさで、美奈子に話しかけたが、美奈子からの返事はなかった。




オレは、美奈子の暗く、沈んだ顔を見ると、胸が苦しくなって、息が詰まる。




過去には戻れないと知りながら、二人が笑いあっていたあの頃に戻りたいと、オレは願う。




美奈子は大ケガをしたあの日の夜から、笑わない女になってしまった。




美奈子はもう二度と歩けない。




美奈子をこんな体にしたのは、美奈子に対してＲ申請をしたリベンジャーとそのフォロワーたちだった。