午後の仕事は浮かれ気分で
いつのまにか終わっていた。


「はりきっちゃってさ
テキパキ動きの良いことっ」


「そんなことないですよ
いつもと同じです!」


美奈先輩はあたしの
午後からの動きがいつもと違うと言う。


いつもと同じだと言い張るが
自分でもわかってる。


藤堂主任と朝から晩まで
ずっと行動できて
それに仮にも恋人っ!
浮かれないはずがない。


「そう言うところ可愛いよね
彼氏が居ないのが不思議だわ」


「これって褒められてるんでしょうか?」


「褒めてるけど?
あっ!!!藤堂!
あっ 藤堂主任ちょっとぉ」


えっ?なぜ呼んだ?
美奈先輩にはいつもドキドキさせられる。


バラされないだろうか
変なこと言わないだろうか・・・と。


「暇?」


「もうちょい仕事がある
どうした?」


「ご飯行かない?」


「お前と?」


「あたしとそして藤堂の彼女と」


「はぁ?オレの彼女?」


「そうよ 目の前に居るじゃん
七瀬円香 あんたの彼女」


「ちょっと先輩!やめてください」
「大きな声で言うなよ
誰が聞いてるかわかんないだろ
七瀬が彼女だとか・・・」


そんなに全面的にやめろよ!
なんて言われるとショックだな。


「あと2ヶ月しかないのに
その時だけ恋人の振りしようとしたら
バレちゃうよ
だから今から練習しておけば?って
思ったのよね」


「先輩いいですってぇ
その時だけでもうまくやりますよ
あたし帰ります」


更衣室へ着替えに行こうと
荷物をまとめた。


・・・飯行くか?・・・


そんな声が聞こえてきた。