それから信一が外へ向けて助けを呼んだ。


これで2度目だけれど、外からの反応はなにもない。


最初はいい案だと思っていた事だけれど、2人が死んでしまった今、それにも効果なんてないんじゃないかと思い始めていた。


すべてがマイナスの方へ進んで行っているように感じられる。


「ねぇ……思ったんだけどさ」


ずっと黙っていた千鶴が顔をあげてそう言った。


ずっと泣いていたせいで鼻声になっている。


「なに?」


すぐにそう聞いたのは信一だった。


「スピーカーの声の主は、この部屋の中が見えているんだよね?」


「あぁ……そうだな」


信一が頷く。


どうやって2人を殺したのかはわからないが、《リプレイ》を見ていたから1人を選んで殺す事が出来たことには間違いない。


「それって、どこから見てるの?」