九重 珠樹 side







「最低でも一ヶ月、ここには来ないでお仲間を守った方がよろしくてよ。闇がもうそこまできているの。これは忠告よ。九重珠樹さん」









彼女の意味深な言葉が耳から離れない






彼の名前を知るものは少ない







むしろ、今の姿の彼を九重珠樹だと思う者は1人もいないだろう







彼女は何者だったのか










彼女の紅色の髪が美しく揺れていたのを思い出す






あの髪は敢えてそこにあったように思われた








彼は彼女の正体に心当たりはあった