────────── 亜李朱side 深秋真香が出ていってから、わたしは何をするわけでもなくただただベッドの上で真っ白な天井を見上げていた すると、唐突にノック音がして扉が開いた その扉が開かれた瞬間に、彼の香りが病室内に広がった 彼の方を見なくても、彼が来たことが知れた 私は彼に初めて顔を向ける 私の顔を見た彼は見てわかるほどに驚いていた