「つーちゃんは、UFOおると思う?」


「これまた唐突にどないしたん?」



来店して早々、カウンターに身を乗り出して涓畤壟が聞いてきた。



「昨日の深夜番組でやってたらしいて、会うた直後にこれや。勘弁して欲しいわ。」


「それは朝からお疲れ様です。」



未確認生物特集を見たらしく、会う人会う人に聞いてもいるようで、隣にいただけだが鰍掩は疲れている。



「で、どう思う?」


「うーん……幽霊もそうやけど、そーゆうもんは存在するちゅー証拠が無いからおる証明は出来ひんし、存在せーへんちゅー証拠も無いからおらん証明も出来ひん。どっちも嘘やほんとや言われへんなぁ。」



「つーちゃん、哲学者やな!すごいわー」



はぐらかしているような答えになってないような、そんな気もするが、涓畤壟は特に気にしていないようでウンウンと頷いている。



「結局、今おる世界が現実か夢か立証出来ひんのと同じや。考えるだけ無駄やゆーこっちゃ。」


「じゃあ、夢から覚めるのどーぞ。」



「覚めるゆーて、お茶?」


「ええから飲んでみ?」



微笑みを称えた碑鉈が勧めたのは、カップに入った見た目はただのお茶。