森坂 佑麻。
高校に入学して3度目の春を迎えましたー!いやー、留年しなくて良かった!

数学のせいで危うかったよー。


あ、ちなみに”南くん”に恋をしてから3度目の春です。


今、私の隣には


「瀬那〜!見て!桜咲いてるよ!」


「まだ5分咲きだろ。」


どんなに追いかけても届くことはない、そう思ってた大好きで仕方ない”南くん”がいる。


「これから満開になるの楽しみ!あ、そうだ!ピクニックに行こう!桜見ながらお弁当食べよう!…ね?」


「……それ、何て言うか知ってる?」


「…え?だからピクニック…」


呆れたような声と眼差しに、私の言葉はどんどん小さくなって消えていく。


「……花見、だろ。」

「っ、た…確かに!」


あー!なるほどね!言われてみれば!…と、南くんのツッコミに全力で頷いた私には見向きもせず



「バカ。」

「うっ…」


スタスタと生徒玄関へ進んでいくのは、南 瀬那。


私の彼氏です。