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「へっ…くしゅんっ!」

さっきからくしゃみが止まらない。

私は学校に着いてとりあえず濡れた制服からジャージに着替えた。保険の先生に相談したらとりあえずドライヤーを貸してくれた。

「ってかなにがあったのか説明してよ」

普段学校では聞く事がないドライヤーを風量MAXにして美保は私の髪の毛を乾かしてくれている。

「うーん、なんか変な男に絡まれて……」

私だって説明してほしい。むしろ向こうは最初から傘とか持たずにずぶ濡れだったし明らかにおかしい人だよね…。ってか本当に同じ学校だったら……

いやいや、変な人ならコスプレっていう可能性もなくはないし。私は今まであんな人学校内で見た事ないもん。

「ってかそれってさ……」

男の特徴をとりあえず美保に話すとドライヤーの熱風が耳元で止まった。

「わ、あつっ…!」

「あーごめんごめん!!」

美保がスイッチを切ってクルクルとコードを巻きながら言う。


「それって蒼井翔也じゃない?」