「ユウっ!まって、お願いっ走らないでっ」


 目の前の人だかりを小さいからだで走る、私の一番大切な子


 道路際に黒い車がとまり、一気に騒がしくなる


 でも、そんなことはきにせず前を走る“ユウ”を追いかける


 ドンッ

何かがぶつかる音がして、さらにうるさくなる。

 そんななか、愛しい子の泣き声が大きく響く。



 路上の真ん中で、座り込んで泣いている愛しい子は、前からきた人にぶつかりないていた。



「ユウっ!」


 すぐに抱き寄せ、ぶつかった人物に座りながら頭を下げる



「すみません!ほんとにすみません!」

 愛しい子の泣き声と私の謝る声が響く。


「若!平気ですかっ!?」


 
「うぇぇぇぇん!うぇぇぇん!」


 まだ泣き続ける愛しい子をギュッと抱き寄せる


「ユウお願いっ泣かないでっ」

 小さな背中をそっと擦れば、少しずつ小さくなる泣き声

「ママが悪かったねっごめんねっ」


 徐々に小さくなっていた泣き声が完全に聞こえなくなり、眠ってしまったんだと感じる。

 おこさないようそっと抱き上げ、もう一度ぶつかった相手に頭を下げる

 そして、周りの視線を感じながらきた道を戻ろうと一歩踏み出したとき