────……翌朝。


「あーもうシキ!遅刻してもお母さん知らないからね!」

「ご、ごめんなさーいっ」



そんなに怒らないで、お母さん。

寝坊っていっても10分だけなのに……。


ひとりで泣き言を言いながら昨日と同じ制服を身にまとい、朝ごはんのパンを口に突っ込んだ。



「ひ、ひっへひわふっ」


「こら!ちゃんと飲み込んでから行きなさい!これお弁当ね!」



玄関から飛び出そうとしたあたしを引き止めて、お弁当を渡してくれたお母さんにお礼を言う。



「気をつけてね」


「うんっ!」


カバンを持って玄関の扉を開けた。