「シキ! 準備出来たのー!?」


「は、はーい! 今行くー…」



扉の向こうから聞こえるお母さんの呆れた声に慌てて返事をして、あたしはもう一度目の前の鏡に映る自分の姿を確認する。


……やっぱり、恥ずかしい。


鏡に映る自分の姿には不安になるばかり。

部屋を出ようとしては気になって、また確認して……もう何度繰り返しただろう。


青いチェックの短いスカートに、ブラウスの上からエンブレムが入った白いベストを重ね、胸元にはスカートと同じ色の青いリボン。


一応、正式な制服なんだけれど。


この制服は、今日から通う〝星澟学園高校〟のもの。

アイドル衣装のように可愛い……けどそれが逆に恥ずかしさを煽っていた。


スカート短いし!


正式な制服だっていうのに、生脚がこんなに出るなんて思わなかったよ。


星澟学園は、都内では有名で偏差値75以上であるほど高く、一般市民からは憧れの高校らしい。

指定のスクールカバン(これまた無駄におしゃれな)を手に持ち、また溜息をつく。



「シキ!」



そうこうしてるうちに、お母さんの〝早くしろ!〟というお怒りの声が飛んできて、あたしは慌てて部屋を飛び出した。