あ…… 泣き疲れちゃったか……

いつの間にか寝てしまってた。

目が覚めて、一番最初に映ったのは暗闇という言葉が似合う夜だった。


「あっ、大丈夫か?」

起き上がって、すぐ聞こえたのは心配そうな翔吾の声だった。

「お、おぉ……」

ぎこちない返事。
まだ向き合えそうにない真実。

笑え。 笑えっ。

大丈夫だって。心配かけてわりぃっていつもみたいに言って笑えっ……

爪痕が残るんじゃないかってくらいに強く強く布団の中で拳を握った。


「拡也、もしかして俺、なんか悪いことしちゃったか?」

心配そうな、そしてどことなく不安そうな表情と低い声のトーン。

「翔吾は……なんも悪くない。」

絞り出した、声。

そう、悪いのは身勝手で未練がましい想いを抱いている俺なんだ___…