「、、痛っ。。」

ごちん、と次郎のこぶしが頭に降りてきた。

「痛いわけないだろ、思いきり手加減してやったんだから。」

「見てた?」

ぎろり、と次郎の冷たい視線を浴びた。

「見えた、だ。昨日の奴らにバレたらどうするつもりだ、ったく。

なんだ、何をきょろきょろしてる。」

「一花は?」

「あいつなら今は居ない。俺と交代で、、

って、おい、聞いてるのか?」

次郎のこめかみがぴくぴくと脈を打ったみたいだった。

どうやらあと少しでほんとに怒らせてしまいそうだ。次郎にしては珍しく。

「ごめん、悪かったよ。軽率でした。昨日のことが心配で、怪我してなかったかと気になってたんだ。もうしないよ。」

次郎が二の句を継ぐ前に両手を上げて見せた。

「、、お前、

四ツ谷と仕事中のはずだろ?」
気持ち語調が柔らかくなったようだった。

「ああ。そっちもちゃんとやってる。
すぐ戻るよ。」

「ならもう行け。ここは一花と俺でついてるから。」

次郎の背中が僕の視界を覆った。七花の家はその向こうに隠れて見えなくなった。

「ぁ、、」