乃愛瑠side



  ブロロロロ・・・・


あたしは車の中にいる。
その車の前を幹部のみんながバイクで進んでいく。

黒狼の倉庫はもうすぐ見えてくる。
久しぶりに見る道。
前は毎日通っていた道。
しばらく来ないうちにだいぶ変わった気がする。


  コンコン


乃「え!?
  光輝!?」

光「よ!」

乃「よ!
  っじゃない!
  危ないでしょ!!」

光「乃愛瑠の顔を見たかったんだよ。」

乃「どうして?」

光「もしも・・・・
  乃愛瑠が黒狼に戻り」
乃「それ以上言わないで。」

光「・・・。」

乃「あたしは白夜にいたいの。
  あたしが決めたの。」

光「・・・よかった。
  それを聞けて安心した。」

乃「そんなこと気にしてたの?」

光「大事なことだろ?
  でもそっか。
  俺達を選んでくれるんだな。」

乃「なんなの?」

光「なんでもない。
  早く終わらせて帰ろうな!
  俺達の倉庫に。」

乃「うん
  帰る・・・。」

あたしのいるはずの場所に。

光「・・・。」

光輝は一瞬浮かない顔をしたがすぐに前をまっすぐ見つめ先頭に戻って行った。

乃「一緒に帰りたいな・・・。(ボソッ)」


あたしの一言は誰にも届くことなくバイクの音によってかき消された。



乃愛瑠side
end