華子side


私はまた捨てられた。
裏切られた。

また、奪われた。


私を必要としてくれる、大事にしてくれる人は・・・?



‘黒狼’


頭に浮かんだのはあの人達。
やっぱり私には海斗達しかいない。
私は手錠も足枷もない。
必要なくなってしまったという証拠だ。
私は夜中にこっそり抜け出した。


ここがどこだかわからない、けどとにかく走った。
あの人たちのもとへ。
白夜だって奪ってやる。
あの子にはあの人がいるんだ。
だったらいいよね?

私の、私だけの物にしても。