ある日の昼休み。

私は、朦朧とする頭と、乱れる呼吸の中、学校の中を全力疾走していた。


「はぁっ、はぁっ……」


まずい、まずすぎるよっ…。

私はというと、風邪をひいているというのに、ファンの子達に追いかけられている。


「まりあ様、どこへ行かれたのですか!?」

「風邪をひかれたと聞きました!」

「ぜひ、私達の見舞いの品をー!!」


保健室で休んでいたら、突然物凄い足音がして、すぐに窓から逃げたのだ。


どうして、私が風邪をひいたって知ってるの!?


「はぁっ、ううっ……クラクラしてきたぁ…っ」


朦朧とする頭で、私は外を駆ける。

保健室は1階で、窓の外はちょうど中庭に出る。


「はぁっ……」


そして、私は中庭の、ちょうど教室の裏にあたる所で壁に背中を預け、しゃがみ込んだ。