ー文化祭当日。


私たちのクラスの出し物『まりあ様の試練』アトラクションは、なぜか人気だった。


主に、学内の生徒に。


ただ、最終ステージまでに到達出来る人たちが少なく、私はすごく暇だ。


「有谷君、ここまで来れるかな……」


なんというか、このアトラクションは謎々や熱々おでん早食い競争など、それはもうくだらないけど難易度が高い。



「はぁ、やっと辿りつきましたですぅ!」

「愛梨、お前すげーな!普通、あの早さでおでん食えるか!?」

「そりゃあ、まりあ様に会いたいからです!」


どうやら、一組目がやってきたみたい。

というか、この声は愛梨さんと猿君だ。


私は、ベールをなびかせて、白く長いドレスを引きずりながら、用意されていた、玉座から降りる。


そして、月の形の飾りがついた、長い杖を持って、2人の前に姿を表した。


「よく、ここまで辿りつきました」

「「まりあ様!!」」


私が現れると、2人は興奮したように声を上げる。

それに苦笑いを浮かべながら、役に集中した。