ーザーッ

雨が降る6月。

私は、いつものように理科室で昼食をとる。

だけど、いつものように、一人ではない。


「おい、何でお前いっつもポッキーなわけ?」


私の隣に座る我妻君が、勝手に私のポッキーの袋を開けて食べ始める。


「そりゃあ、私の大好物ですからね……ってコラ!なんで私のポッキー食べるのよ!」


我妻君への気持ちを自覚したのにも関わらず、私は友達みたいな返ししか出来ていない。


せっかく、こうして我妻君が一緒にご飯食べてくれるようになったのに…。


「いやーっ、まりあ様眺めながら食事、美味だな!」

「本当ですぅ~っ!!愛梨、感激!!」


いやぁ、まぁ……実は2人ではないのです。

私の目の前には、猿くんと愛梨さん、そして……。


「まりあ様、おまかせください!ここに、俺のお重が…」

「飯島君、なぜお重なの?」


お重をズズッと差し出す飯島君に、私は苦笑いを浮かべる。

そう、私の、隠れ家……理科室には何故か、我妻君、猿くん、愛梨さん、飯島君がいる。


我妻君の説明は雑なもので、『お供連れてきたぞ』の一言だった。