「花、本当にごめん。」
齋藤美花、高校1年生。本日帰宅致しますとお母さんが玄関で土下座をして迎えてくれました。
「お母さんどうしたの?!」
私が驚いて立ち尽くしているとお母さんは頭をかきながらあげて涙ぐんでいた
「今日、私とお父さんは夜逃げします。花もどこか友達のところにいって。今すぐ出て行きなさいっ!!」
夜逃げ?!
しかも私をおいていっちゃうの?どうして
「お母さんどうしてこんなことに?」
「借金です・・・」
そんなのが家にはあったの?だからって。もしかしてヤクザに借りたとかかもしれない
「早くして花!!」
こんなに真剣なお母さんはじめてみた。
いつも優しくてちょっと天然なお母さん。いつもニコニコ笑っていたお父さん。二人とも大好きです‼
「ごめんっ!」
私は帰ってきたそのままの格好で走りだした。
ごめんお母さん、お父さん。
私は走り続けた。どれくらい走っていたのか。
もう体力限界に達して私は立ち止まった。
「ここはどこ?」
私は近くの電信柱を見た。『岬之町』
知らない街。ここはどこかもちっともわからない。南に来たの?それとも西に?
もうどうでもいい。私は近くのベンチに座り込んだ。
ケータイ小説 野いちご
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