〜葵side〜



そろそろ、練習を再開しようかしら……


あら? あれは、霈くんよね?

そう思いながら近寄ると、こっちを振り返った


どうしたのかしら?

近寄ろうと歩き出すと、
    霈くんがザッと私の横を走り抜けた

『っ…!!』

その時の悲しげな表情に言葉を失って

立ちすくんでいた。



『霈くんがあんなに悲しんでいるのを

 見たのは何年ぶりかしらねぇ…』


確か、霈くんの母
白築 美月〜Siratuki Mituki〜が

亡くなって以来だったかしら…