パカッパカッ
城を出て馬を走らせる事数十分。
着いた場所は国を一望できる山の上だった。
「父様、ここは?」
「ここは私が辛い時によく来る場所だ。」
「父様が…?」
「あぁ。」
うそ…
「何だ、私にも辛い事くらいある。総団長の前に人間だからな。」
「…そうですか。」
「ユラ、ここから見る景色は最高だろう?」
「はい。」
「ここは私と妻のミラが出会った場所だ。」
「え?」
父様と母様が?
「だから私にとってここは、思い出の場所であり心の支えなのだ。」
「……………。」
私父様の言葉を聞きながら景色を見回した。