その後の大神家では……

『はああ?“やっぱりこっちで生む”だと~!』
『ひいいっ、ゴメンなさーい‼』

『婦長さん…申し訳ない。妻がどうしても、と』
『し、仕方無いわね……何とかしますワ♥』

元々通っていた産院で大怒られしたりとか、

『う、ヤバイ…キタ…』
『マジか⁉』

『そう言えば朝から何かがオカシイと…ウゴッ‼』
『救急車だ、救急車‼』

陣痛5分間隔でやっとそれに気が付いたりとか。

色々なアクシデントはあったものの。


フギャアアアッ‼

『産むが易し』とは言ったもので
大迷惑な大神夫妻の間にも、
無事に3200グラムの元気な男の子が誕生した。

そして___

生まれた季節に因んで“冬喜”(フユキ)と名付けられたその子が3ヶ月になった4月の終わり。

都内のホテルで、熊野吾郎の結婚式と披露宴が盛大に開催されていた。