後日___

私。板倉愛美は、いよいよ実践アプローチに移ることにした。

さっきの大神常務からの内線電話、

『あの~、蛍光灯が切れたんだけど』

に、庶務3課内は俄に色めき立った。

私は、並みいる後輩女子どもを押し退けて、いち早くお役目をゲットした。

普通、自然に役員のカレと接触する機会などまずない。
降って沸いたこのチャンス、逃すわけにはいかない。

セクシャルな私服に作業服を羽織った姿で、蛍光灯を右小脇に、折り畳み梯子を左肩に、ドアを2回ノックする。

「スイマッセーン、蛍光灯の取り替えに参りましたあ」

中に入れば、幸い彼は一人きり。

「ああ…頼むよ。そこな」

執務机に向かったままの大神常務は、斜め右上を示唆した。

私はわざと彼の目に入りやすい位置に、折り畳み梯子を設置する。

さあ、とくと御覧なさい。

「えいっ♥」
可愛げな掛け声にブリッコポーズ、マイクロミニ・タイトで思いっきり美脚を振り上げ、足を掛けた。

「………」
彼は書類に目を向けたまま。何やら集中している模様。

ぶ、侮辱だわっ。

この私のセクシーショットを見過ごすつもり?