『今夜は流星群がピークを迎えます。昨夜とは違い、絶好の観測日和となるでしょう。ただ寒さ対策だけはしっかりとして下さいね』
テレビから流れるニュースで、アナウンサーがどこか嬉しそうな顔でそう伝えている。
今日はリツと約束した流星群の日。
朝からまぶしいくらいの太陽の光が降り注ぎ、昨日の荒れた天気がウソのよう。
学校のない土曜日で、いつもならこういう休みの日は憂鬱な気分になるのだけど、お父さんが再婚して初めてそんな気分にならなかった。
生活リズムは変わらないのだけど、不思議と家にいても苦痛ではない。
やっぱり昨日、ぶつかり合った事が良かったんだと思う。
みんなの本音を聞く事ができたし、お母さんの気持ちもわかったから。
すべてはリツが背中を押してくれたおかげなんだけどね。
「結月ー。お父さんにデータ渡したってホント?」
いつもなら図書館へ行って勉強しているのだけど、今日は自分の部屋で予習をしていた私。
えみりは今日もノックをせずに部屋にズカズカと入って来た。