ケータイ小説 野いちご

水男(ミズオ)

俊介

ベイエリアに立つマンション。


夕日が落ちる海が一望できる
俺の部屋に尋ねてきた女。


部屋の中は夕日で
オレンジ色に染まっている。


彼女の名は真理子。
俺の彼女だ。


「俊介!」


そう叫んだ真理子は焦った様子で
玄関に入ってきた。



真理子が急いで入ってきたおかげで
玄関のマットが曲がってしまった。


真理子は曲がってしまったマットを
直そうともせず


いきなり俺に抱き付いてきた。



「俊介、子供が出来たの」



真理子は涙を浮かべながら
俺にそう言った。


こういう時
男として


いや、人間として
どういう言葉を返すべきなんだろうか?



もちろん答えは一つだ。
これ以外にないだろう。



俺は笑顔を浮かべて言った。



「曲がった玄関のマットを直せ」



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