真白side


看護師が部屋に入ってきた音で
目が覚める。


『藍原さん、目が覚めました?
良かった。
朝野先生すぐに戻ってきますからね。
ずっと側に居たんですよ。』


病室を見渡せばソファーに
医学書やら毛布が散らかっている。


ガラガラ

夏樹が戻ってきた。
体を起こそうとすると
慌てて止められる。


「まだ寝てなきゃダメ。
赤ちゃんビックリして
切迫早産気味だから
これからは絶対安静。」

「えっ!?」

「出勤したら
真白が運ばれてくるし
どれだけ俺が心配したか。
ほんと心臓に悪い。
仕事は当面お休みだからね。
担当医命令!」

「はい…ごめんなさい…。」

「でも真白と赤ちゃんが
無事で良かった。」


そういって真白を
優しく壊れ物を扱うかのように
抱きしめた。