「十文字君はこの街の人?私、今日からこの柊市で1人暮らし始めたんだ!」

人懐こく十文字に語り掛ける向日葵。

よく日焼けした顔は、くるくると表情が変わる。

快活な、屈託のない笑顔だ。

が。

「早く家に帰った方がいい」

十文字に代わり、本城が向日葵に言った。

「悪いが、あまり我々に関わってほしくない」

「え~?何でぇ?」

納得いかない様子で唇を尖らせる向日葵に。

「私達は訳あって追われる身だ。私達と一緒にいると、貴女も巻き込まれる事になりかねない」

真琴が説いて聞かせた。