「今日は予選を通過した、
12名に争ってもらいますッ!!

それでは登場していただきましょう!

奇跡の美貌と才能を持った謎の美少女!

《クレア・フルーム》っ!!」

ーワァアアア!!!

会場は朝から大盛り上がり、
そして今日も空は晴れ渡っている。

今日行われる試合は、全て同じ第1闘技場で行われるため、会場には入り切らないほどの人が来ていた。

クロエは、
入場しながら、
少し痛む左目を気にしていた。

眼帯をしている左目、碧の瞳は基本髪で眼帯ごと隠している。

刺激は全くないはずだが…と、不思議に思っていた。

「続いて、入学試験に次席で入学した。これまた謎の美少年…

《ルカ・オスロ》っ!!」

ルカは、綺麗な白銀色の髪を風に靡かせながら入場してくる。

そしてクロエの隣に静かに並んだ。

この2人の圧倒的なオーラに会場は息を呑む。

「よろしく」

『よろしくね』

軽く会釈をするふたりは、やはり様になっていて、司会者でさえもホォッと息を零した。

「ハッ!

失礼しました!
続いて六大貴族である大狼族の

《リオ・クラネス》っ!!」

相変わらず可愛らしい容姿のリオは、にこにこと笑顔を振りまきながら入場してくる。

「負けないよー!」





「続いて、またまた六大貴族の朱雀族。

《レイ・ニコラス》っ!!」

レイは少し困り顔で登場した。

「あーぁ、次の試合ルカと当たるなんてついてねーな」

これで1年生の代表は全員入場した。

次は2年生だ。

「いやー、今年の1年生は優秀ですねー。

ではでは、2年生の登場です!
見かけは綺麗な顔だが入学当初、学園を騒がした不良少年。

《ジン・アクロス》っ!!」

アクロス家は有名な貴族だったはずだが、ジンは小さい頃から過度の英才教育を受け、今になっては親に反抗し曲がった性格になってしまったのだ。

最近では、ある者によって落ち着きを取り戻したそう。

すらっとした洗練された容姿に綺麗な黒メッシュの金髪。黒い瞳、耳には小さいイヤリングをつけた美青年だ。

「さー、続きまして。両目全盲の隣国の歌姫とされるあの不良少年の恋人。

《リリィ・ストロ》っ!!」

羊のぬいぐるみの上に
またがって入場してくるのは、
ジンの恋人であるリリィ。

ピンクのふわふわとした髪に、ピンクの瞳の彼女は綺麗というよりも可愛らしい容姿だ。

隣国では、超人気国民的歌手の少女である。

「続いて、ふたりでひとりの双子の姉妹。
見るものを驚かす息の合ったコンビネーションを見せてくれる

《ユノン》《サン》コンビだー!」