ーパーンパーン

晴れ渡る大空へ花火が上がる。

「〝ただいまより、

ミシェラード学園

魔法大会を開催する!〟」

ーワァアアアア!!!

会場は大盛り上がり。

一般人や生徒の保護者達、貴族や国の要人までもが大勢来ていた。

『凄い人…』

「楽しみだなっ」

その勢いに圧倒されるクロエと、興奮気味のレイは、先生達の話なんて全く聞いていない。

試合相手は既に決定していて、軽く試合のルールをされた後すぐさま移動することになっている。

「また後でな!」

先生達の話が終わると、クロエとレイは別行動をして、それぞれの闘技場へ足を進めた。



『第五闘技場…

ここか。』

やっぱり、無駄に広い。

そう呟くと、クロエは闘技場へ入った。

闘技場には生徒専用の観覧席が用意されていて、そこにクロエも座った。

万が一の為、対戦相手とトラブルのないように闘技場の向かい側の席に指定されている。

「よっ!クレア」

『わっ!…ってヨウテスか。』

「ヨウテスか…って酷いな」

苦笑いをしながら、軽くクロエにチョップする。

『うっ…!ごめんなさいっ』

「クスッ…俺、午後からの試合なんだ。
クレアは?」

「私は第三試合!多分午前中だよ。」

世間話をしばらくしていると、二人の間に一筋の影が差す。

「すみません。ここいいですか?」