結局、ゾンビ映画を最後まで見ることなくあたしたちはそれぞれの家に帰ることになってしまった。


楓は映画を止めた後でも震えが止まらず、舞美に家まで送ってもらうようだった。


最後まで見たかったなぁ。


そんな残念な気持ちになっているのはあたし1人のようで、他の5人の顔色は悪いままだった。


映画を観るために集まった冬の家から出て、あたしは自分の自転車にまたがった。


予想外に早く映画を終えてしまって少し早い時間だけれど、今日はアルバイトのある日だ。


このまままっすぐバイト先に行く事にしよう。


そう思い、あたしは少し夕暮れの近づいて来た街の中自転車をこいで郊外へと向かったのだった。