そもそも、どうしてこの街ではいまだに埋葬が行われているのか?
そんな疑問を持ったことがある。
確かに本土と遠く離れた小さな島ではあるが、日本であることに変わりない。
しかし、その答えは簡単だった。
狭い島だからこそ、火葬する設備が整っていなかったのだ。
火葬場を作る場所はあるものの、葬儀社がない。
本土へ死体を運んで火葬する以外に術はなく、それをするにしても悪天候だと船が出ない。
悪天候が続くと死体はずっと放置されることになり、梅雨の時期などはすぐに腐敗臭を放ち始める。
だからやむなく埋葬という手段を取っているのだ。
そういえばあたしのひいばあちゃんが死んだ時もそうだった。
幼い頃は何の疑問も持たず、棺ごと土に埋められていく身内を見送っていたっけ。
自分も死んだらいずれ土に返るんだ。
それが当然と思っていた。
『ロマン』でバイトをしていなければ、埋葬をしている事自体に疑問を感じる事もなかっただろう。
ぼんやりとそんな事を考えていると、一息ついた河田さんが隠し扉から戻ってきた。
奥の部屋で血まみれのカッパを脱いできたのか、今はラフな格好だ。
「お疲れさまです。コーヒー入れましょうか?」
「あぁ、頼む。アイスで」
河田さんはそう言い、お客さんの席へ座った。
この喫茶店スペースは河田さんが仕事の途中に休憩するためにあるようなものだった。
今日はまだ誰もコーヒーを飲みに来てはいないのだから。
そんな疑問を持ったことがある。
確かに本土と遠く離れた小さな島ではあるが、日本であることに変わりない。
しかし、その答えは簡単だった。
狭い島だからこそ、火葬する設備が整っていなかったのだ。
火葬場を作る場所はあるものの、葬儀社がない。
本土へ死体を運んで火葬する以外に術はなく、それをするにしても悪天候だと船が出ない。
悪天候が続くと死体はずっと放置されることになり、梅雨の時期などはすぐに腐敗臭を放ち始める。
だからやむなく埋葬という手段を取っているのだ。
そういえばあたしのひいばあちゃんが死んだ時もそうだった。
幼い頃は何の疑問も持たず、棺ごと土に埋められていく身内を見送っていたっけ。
自分も死んだらいずれ土に返るんだ。
それが当然と思っていた。
『ロマン』でバイトをしていなければ、埋葬をしている事自体に疑問を感じる事もなかっただろう。
ぼんやりとそんな事を考えていると、一息ついた河田さんが隠し扉から戻ってきた。
奥の部屋で血まみれのカッパを脱いできたのか、今はラフな格好だ。
「お疲れさまです。コーヒー入れましょうか?」
「あぁ、頼む。アイスで」
河田さんはそう言い、お客さんの席へ座った。
この喫茶店スペースは河田さんが仕事の途中に休憩するためにあるようなものだった。
今日はまだ誰もコーヒーを飲みに来てはいないのだから。