「亜衣〜、そろそろ決めないとヤバいんじゃない〜?」


「ま、そろそろ時間も時間だしな。

決めようか。
回してくれ」


「オケ〜」


巫美はアッサリと絇瑠側の歩影ではない方の男子からボールを奪い、パスする。


「ふざけんっなよ!

なめんなっ!」


亜衣がシュートを打とうとした瞬間、ボールが亜衣の手から弾かれる。


そして、目にも留まらぬ速さでゴールを決める絇瑠。


「うわぁ…また、点差開いた…」


「悪い、今油断してた」


えっと今は20対16かぁ…。

わたしは、急いで嶺央のもとに駆け寄り、手を伸ばす。


「嶺央!

バッシュ貸して!」


「はっ!?」


突然のことで目が点になる嶺央。


「いいから、早く!」


嶺央!グズグズするなー!!!