【 愛理:side 】



はぁ…気持ちいい。


おでこに感じる…ひんやりとした感覚。


朦朧(もうろう)と意識の中、聞こえてきた声は──・・・



「陸くんは好きな人とかいるの?」



えっ!ママってば なに言ってんの?


重たい瞼を開けた先に真剣な顔をしたママと陸がいた。


って言うか、なんで陸がここにいるわけ?


見たらダメなモノを見たような気がして、あたしは急いでまた瞼を閉じた。


どうして陸にあんなこと聞くのよ?


そう思いながら、この後 陸が告げる答えに心音が速まっていく。