葵は、心優と出会ったばかりの頃のように、
ただただ心優にいろんな話をした。


今日食べたものとか最近はまっている本とか

言ってみればどうでもいいような話ばかり。

いつもなら食いついてくるはずの動物の話も今日は無反応。


それでも葵は話し続ける。


昔もそうだったから。


少し昔にタイムスリップしたと思って一からやってやろうじゃないか。



ー消灯時間になった。

葵 「心優ちゃんもう寝る時間だね。

そろそろ寝よっか。」

看護師が夕飯の際に起こしたであろうベッドを倒し、ベッドの上の小さな電気だけつけて、部屋の電気を切った。



葵 「心優ちゃん、おやすみ。

先生ずっとここにいるからね。

呼び出しされたら行かなきゃだけど、それ以外は先生も心優ちゃんと一緒にいるからね。」


そう言い、心優のお腹をトントンとリズムよく叩く。


が、心優は一点を見つめたまま、一向に寝る様子がない。


時刻はすでに日が変わり1時。


葵 「心優ちゃん、そろそろ寝ない?」


葵も眠くなってきた時間だというのに、目を閉じようとしない。


葵 「心優ちゃん、寝るの怖い?

先生ここにいるから安心して大丈夫だよ?」


そういうが全く寝ようとしない。


仕方がないから睡眠薬を使うことにした。


ナースコールを押し、看護師に持ってきてもらう。


睡眠薬を点滴のチューブにつなぎゆっくりと薬を入れていく。


葵 「おやすみ、心優ちゃん。」

お腹をトントンしていると、薬が効いたのかやっと眠った。
これで朝までぐっすりと眠れるはずだ。


時刻は2時。

さすがの葵も急変で呼び出しがないため仮眠をとることに。

ソファーに横になり眠りについた。