―先輩の力―
5月も終わろうとしていた。
相変わらず、部活内では私の居場所はなかった。
でも、完全に無視してくるのはカノンと真由だけで、他の部員は練習中は普通に話してくれた。
クラスには友達もいるけど、親友と呼べるほどの子はいない。
親友がいれば、もう少し元気になれるんだろうな。
お父さんと暮らすことになり、隣町に引っ越した。
だから、この高校には知り合いが誰もいなかった。
中学の時の親友、宮野桜【ミヤノサクラ】とも、引っ越して一度も会っていない。
今は、スマホがあるから繋がっていられるけど、やっぱり会って話したいと思う。
「ハナちゃん、体育館見にいかない?」
一緒にお弁当を食べる仲間のうちのひとり、桃香【モモカ】が私の太ももを叩く。
「3年のイケメン軍団がバスケしてるらしいよ」
4人で食べている友達の中のひとりが、3年生に恋をしていた。
それがきっかけで、よく昼休みに体育館へ行く。
そこで、何度かマナ先輩を見かけた。
あれから一度も話してないし、目も合ってない。
もう私のこと忘れてしまったのかもしれない。
ううん、そんなことない。
あの優しさは本物だった。
きっと・・・・・・覚えてるよね。
5月も終わろうとしていた。
相変わらず、部活内では私の居場所はなかった。
でも、完全に無視してくるのはカノンと真由だけで、他の部員は練習中は普通に話してくれた。
クラスには友達もいるけど、親友と呼べるほどの子はいない。
親友がいれば、もう少し元気になれるんだろうな。
お父さんと暮らすことになり、隣町に引っ越した。
だから、この高校には知り合いが誰もいなかった。
中学の時の親友、宮野桜【ミヤノサクラ】とも、引っ越して一度も会っていない。
今は、スマホがあるから繋がっていられるけど、やっぱり会って話したいと思う。
「ハナちゃん、体育館見にいかない?」
一緒にお弁当を食べる仲間のうちのひとり、桃香【モモカ】が私の太ももを叩く。
「3年のイケメン軍団がバスケしてるらしいよ」
4人で食べている友達の中のひとりが、3年生に恋をしていた。
それがきっかけで、よく昼休みに体育館へ行く。
そこで、何度かマナ先輩を見かけた。
あれから一度も話してないし、目も合ってない。
もう私のこと忘れてしまったのかもしれない。
ううん、そんなことない。
あの優しさは本物だった。
きっと・・・・・・覚えてるよね。