* * *
「ひなたーっ‼︎
こっち手伝ってー‼︎」
「はーい。」
太陽が眩しい中、
あたしは早奈英のテント張りを
手伝わされていた。
「ってかなんで女子のあたしらが
テント張りなんかしなきゃなの⁇」
「知らないよー‼︎もうっ。」
ずっしりと重いテントを、
あたしと早奈英を含めた5人で
決められた場所にテントを張っていく。
そう。
今日は体育祭前日。
朝から全校生徒全員で
明日の準備に大忙しだった。
各クラスで準備の担当を
決めたんだけど…
あたし達のクラスは
女子がじゃんけんで負けて
一番、重労働なテント張りになった。
「男子も容赦ないよね、本当に。」
「あたし達の事、もはや女だと
思ってないんでしょ(笑)」
頬を膨らませる早奈英を見て
あたしも自然に笑ってしまった。