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とある町の薄暗く細い路地


日が当たらなく湿った空気と、恐ろしい雰囲気が漂うそこからは


風の悪戯なのか、奇妙な音が聞こえてくる



見るだけでも気味が悪いその道を、通ろうとする人間など殆ど居ない


稀に興味本位で通る愚かな人間が居るが


そんな人間は決して、帰ってくることは無い



その先に何が待ち受けているのか


帰らぬ人間達がどうなったのか


それを知っている者は


この世界に、片手で数えられるほどしか存在しない



その路地の横を通りすぎる町の人間達は


〝この先はきっと地獄に繋がっている〟

〝魔界かもしれない〟

〝悪魔が住んでいて、入ってくる人間を喰い殺しているって噂だ〟

〝いや、もしかしたら反対に、天国なのかもしれないぞ〟

〝ならお前行って確かめてこいよ〟

〝はぁ!?嫌に決まってんだろ〟

〝なぁ、もう行こうぜ? 気味が悪くてしょうがない〟


そう言って、そそくさと、その路地から離れてゆく



その想像は、あながち間違っていないのかもしれない


そう思って、路地に入ってゆく少女はふっ、と笑みを零した


たとえ興味本位だったとしても、路地に入ってしまった部外者は


決して生きて帰る事はできないのだから



犬も、猫も、鼠も


蟻さえ入らないその路地の先には


不思議な雰囲気を纏った


一軒の家が建っているのだ