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「……廉太郎は!?」

カツカツとヒールの音を立てて走ってきた結城の姉、美和子。
美和子の後ろには結城の両親と杖をついて歩く祖母がいる。

「レンは…あっち…」

カタカタと震える指でドアを指した。
このドアの向こうに結城がいる。

こっちからは何も見えず、中の様子も結城の状態もわからない。