朝礼後の休み時間、私の目の前に時雨が現れた。

軽く笑って歩くスピードを早める。

なんなのコイツ。もう会わないと思ってた。


稜呀「…すみません。ご迷惑ですか…?」

未來「迷惑です。」

稜呀「すみません、でも未來さんのお兄さんに生前頼まれてるんですよ、未來さんを守ってくれと。」


…意味わかんない。
兄さんは…兄さんは私が4歳の時に事故で亡くなってるのに…


未來「そーゆー冗談やめてくんない?笑えない」

稜呀「冗談ではありません。前世で…」

未來「他人の人生にズカズカ踏み込んでこないで!!うっとーしいんだよ!!」


はっ…私、なんてことを…!


稜呀「…………」

未來「あっ、今のは…」

稜呀「………いえ」

未來「でっ、でも!!アンタが付きまとったりするからよ!自業自得よ…」


あぁもう私のバカ!!!!
なんで…なんで素直に謝れないのよ!!


稜呀「はい。もう、、あなたには話しかけませんから…」


悲しそうに呟いて、そっと私から離れていった。


未來「ま…まって!!」

稜呀「え?」


…え?……えええええ?!?!

っ…なななにやってんの私いいい!!


未來「あっ、いや、何でもない」

稜呀「?」


……たった一言。

たった一言『ゴメン』って言えばいい。


未來「ゴ……m………」

稜呀「はい?」

未來「ゴメン…その…言い過ぎた。」


言えた…。素直に(?)謝れた…!


稜呀「未來さん………」

未來「も、もう行ってい_______?!」


時雨が突然走ってきて……

ギュッ


未來「ちょ、は?!」

稜呀「…あっ!ごごごめんなさい/////」


なによ時雨のヤツ、顔真っ赤にしちゃって…。

こっちまで照れるじゃない………!!


未來「…あ、も、もう、いい、、から。」

稜呀「あ、はい!!」

未來「引き止めて悪かったね」

稜呀「いえいえ♪じゃっ、また!!」

未來「…ん。」


満面の笑みで手を振ってくる時雨に若干嫌気が差しながらも、かすかに微笑んで手を振り返す。

すると彼は、ほんの一瞬立ち止まって驚いたあと、さらに笑顔になって音を立てそうなほどの勢いで手を振り返してきた。

こんなやりとりも…悪くはないと思った。


未來「さて、と。」


休み時間がもうすぐ終わる。

今日の授業が始まる時間だ。