ケータイ小説 野いちご

義理の兄弟が14人できました。

桜井
恵美【えみ】


ーーガチャ…ダンッ!



ドアを開くと同時に向こう側のリビングへの扉も勢いよくあいた。



ああ、一難去ってまた、一難。




「さゆりちゃんお帰りーー!!」



鼻をくすぐる薔薇の香りがその場を満たす。



紛れもない恵美さんだ。




「さゆりちゃん、さらに可愛いくなってーー!!」




昨日ぶりですよね?




昨日と今日で可愛さなんて変わりません!




っていうか可愛くなんてないし。




「母さん。落ち着いて」





前回と同じように忠誠に入る響也さん。





「私はいつだって落ち着いてますぅー!」





いやいや落ち着いてないだろ、と二人が思ったのは言うまでもない。




「あの、父は仕事で今日いませんが……」




「あ、いいのいいの!ーーさゆりちゃんに会いに来たのよ」




私!?





ああ、嫌な予感!





「さぁさぁ!レッツゴーショッピング!!」






……やっぱりですか……。





せっかく海里さんから逃げてきたというのに。




「ほら、さゆりちゃん早く着替えてきてー!」



……………………





…………はぁ……



「……分かりました……」



2階に行って自分の部屋で適当な服に着替える。



のんびり階段から降りてきたら、もう玄関でスタンバイしている二人に出くわした。




そして恵美さんの第一声がこれ。





「さゆりちゃん……ダサい」




恵美さん、はっきり言いますね。




「出かけるのにジャージはないでしょう!?」



「楽じゃないですか」




「いやー!!隣歩きたくない!他に服ないの?!」




「ないです」





「もったいない!もったいないわー!!女捨ててる!」





隣で騒ぐ恵美さんを見て苦笑いする響也さん。




「そろそろ行かないと時間なくなるよ?」




「はっ!そうね!行きましょ!」




恵美さんに引っ張られ、ドアを開けると。



えっ!ナニコレ!



黒くて長いもの。家の前の道路がその物体に封鎖されてる。


も、もしかして……!?



「さゆりちゃん!乗って乗って!!」



「り、リムジンですか…!?」



「え…そうよ?」




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