「はじめまして、皆様。ソフィアと申します。本日よりアレックス殿下の第四夫人として、このアーロン国の一員となりました。これからよろしくお願いします」

入口で一礼をしながら、既に席に座っている殿下と夫人達に、自己紹介をする。

夫人達はそれはもう煌びやかなドレスと、ギラギラ光る宝飾品を付け、殿下の左右に座っていた。


きっと身につけているものも、全て殿下からの贈り物なのだろう。

「私達、殿下に愛されてますのよ」アピールが半端ない。


そんな夫人達は私を見て微笑んではいたが、その笑みは歓迎される顔ではなかった。


どこか見下したような、バカにしたような笑みだ。


そう笑われるのも仕方ないわね。

なんせこの城の中で噂される私は、"殿下に泣いて縋って仕方なく結婚して貰った残念な元王女"なのだから。


もう醸し出す雰囲気だけで分かるわよ。

「プライドもない恥ずかしい女」、って思われてるのがムンムン。


別にどう思われても構わないけど、気分がいいものではない。

まったくこんな食事会は、これっきりにして貰いたいわ。