僕が起きたのは 昼過ぎだった。


泣きつかれて 寝落ちしたらしい…


頭も ボーッとする。


昨日夕食を抜いたせいか お腹が物凄く減っていた。


僕は ボーッとする頭を振りながら 階段を降りて行った。


そうか


昨日はカレーか


僕の好きなカレー

僕は お皿にご飯を盛ると カレーのルーをその上にかけた。



思考回路が 回復するに従い 昨日の事が少しずつ甦る。

考えないように 別の事を考えるが

それも 長くは続かなかった。


僕は 思い出さないよう カレーをかきこんだ


枯れたと思っていた

涙が また頬を濡らす。


♪♪♪♪♪♪♪


アニメの着信音がなる。


誰だろう?


僕の携帯番号を知る者は ごく限られた人数だ。


家族と…


それから ごく僅かな 友達…



それと…



アニ研の 天野 月美だけだ。



僕は 携帯電話を耳元に運んだ。


《天野ですけど…

部長ですか‼》

声の主はそう言った。

≪そうだけど…≫


《部長が忙しくなければ 付き合って貰ってもいいですか?》



僕は 暫く考え込んだ。


《あ…あの…駄目なら…いいです…

他に頼める人がいないから……》


天野 月美は そう言って電話を切ろうとした。



≪待って天野さん 僕で良かったら力になるけど…≫


僕は慌てて 電話に向かって叫んだ。


《本当ですか部長…

本当に私とでいいですか?》


≪ 誘って来た 天野さんだよ‼≫



《あっ…そうでした。

ありがとうございます 部長‼》

僕は 天野 月美が 電話越しに頭を下げているのを思い浮かべ 口元をつり上げた。



こうして 僕は アニ研の天野 月美と出かける事となった。